「ラファエル前派展」2014年1月開催予定!

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「ラファエル前派展」が森アーツセンターギャラリーで2014年1月25日(土)から開催予定です。

ラファエル前派(Pre-Raphaelite Brotherhood, P.R.B)は1848年、ロンドンにおいて芸術革新を唱える青年たちによって結成されました。メンバーはロイヤル・アカデミー・スクールで知り合ったウィリアム・ホルマン・ハント、ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ、ジョン・エヴァレット・ミレイの3人の画家に、彼らの学友であるジェームズ・コリンソン、彫刻家トーマス・ウールナー、画家フレデリック・ジョージ・スティーヴンス、ロセッティの弟の文学青年、ウィリアム・マイケル・ロセッティを加えた7名です。

ラファエル前派というグループ名は、彼らが目指す芸術がラファエロ以前にあることに由来します。当時のイギリスの美術界はロイヤル・アカデミーが信条とした、古代、ルネサンス、バロックの各時代の様式を範とする絵画が主流をなしており、彼らは伝統に対する反発という点で結束しました。アカデミズムへの反発という点ではフランス印象派の誕生と似ていますね。そして彼らはラファエロ以前の芸術、すなわち中世や初期ルネサンスの芸術を範として活動します。

hana chan 注目の作品

 

Ophelia, John Everett Millais, circa 1851, oil on canvas, Tate Britain

《オフィーリア》
Ophelia, John Everett Millais, circa 1851, oil on canvas, Tate Britain

今回の展示会のポスターの表紙を飾るのが、ジョン・エヴァレット・ミレイの《オフィーリア》です。《オフィーリア》はラファエル前派の作品の中でも最高傑作と称えられる作品です。1862年のロイヤル・アカデミー展に出品したもので、シェイクスピアの『ハムレット』のヒロインを題材にした作品です。

ラファエル前派の絵画の特徴としては、明暗の弱い明るい画面、鮮やかな色彩、そして細密描写が挙げられます。特に細密描写に関しては、科学的な正確さと顕微鏡的な細密さが追究されています。この《オフィーリア》も細部まで忠実に描かれており、描き込まれた花の種類を特定するだけでなく、その象徴的意味を探るのが楽しそうです。

 

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ポスター裏面の作品は、ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティの《プロセルピナ》ですね。プロセルピナはローマ神話に登場する春をもたらす農耕の女神です。豊穣の女神であるケレスの娘であり、冥界の王ハデスの花嫁です。また、プロセルピナはザクロとともに描かれます。ローマ神話ではザクロは復活の象徴とされます。キリスト教絵画では、イエスの復活を示すとともに、1つの実にたくさんの種子があることから、教会の庇護下にある信者たちの結束をも象徴します。

ラファエル前派の画家は、聖書の題材や中世の伝説・文学にちなんだ作品を多く制作しました。その中にはもちろん象徴的な意味を持つモティーフがふんだんに盛り込まれています。展示会はまだ先ですが、絵の中から象徴の意味を探すのが楽しそうです。

 

「ラファエル前派展」は来年1月から開催ですが、待ち遠しいですね!
とにかく《オフィーリア》を早く見てみたいです。同時期に開催予定の「ザ・ビューティフル - 英国の唯美主義1860-1900」展も要チェックです!こちらの展示会にはロセッティの《愛の杯》が展示される予定です。

 

hana chan 注目のポイント

作品の細部に描かれた花や持ち物の象徴するものとは!?

 

 

会場 森アーツセンターギャラリー
会期 2014年1月25日(土)~2014年4月6日(日)
開館時間 10:00~20:00(入館は閉館の30分前まで)
1月、2月の火曜日は17:00まで開館
休館日 会期中無休
お問い合わせ 03-5777-8600(ハローダイヤル)
混雑状況 ラファエル前派展 | あの展覧会混んでる

 

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2 comments on “「ラファエル前派展」2014年1月開催予定!

  1. 細谷久行 より:

    ジョン・エヴァレット・ミレイの《オフィーリアの狂乱の場》は数年前、渋谷のBunkamuraで既に観ています。

    精緻で写実的な傑作だと思います。同じ題材のドラクロアの《オフィーリアの死》より数段優れていると思

    います。また観られるなんてとてもラッキーです。

  2. 細谷久行 より:

    先月末から六本木ヒルズの画廊でラファエロ前派展が催されている。出展されている絵画のうち何と言っても最大の見ものはこのミレイの《オフィーリア》であろう。わたしは数年前、既に渋谷のBunkamuraで観ている。

    ラファエロ前派とは19世紀中葉の1848年にそれまでのラファエロを規範とする保守的なアカデミズムに真っ向から反旗を翻しラファエロ以前の芸術、すなわち中世や初期ルネサンス美術に立ち返るべくロイアル・アカデミー・スクールの若き学生だったロセッティ、ミレイ、ハントの3人によってロンドンで結成された芸術運動である。古典的な形式や慣例にとらわれないアヴァン・ギャルドで当時の英国画壇にスキャンダルを巻き起こした。

    ところでこの絵画であるが狂気したオフィーリアを取り巻く木々や花々の描き方は細密を極める。ミレイはロンドン郊外の川で数ヶ月を費やして描いたそうである。その精密さは学校の先生が生徒を引き連れて植物の授業の教材にしたほどである。どれほど精緻な描写であるか同じ題材のドラクロアの《オフィーリアの死》(写真右)と比較して欲しい。

    ミレイはその後、ロンドンのアトリエで後にロセッティの妻となるエリザベス・シダルをモデルに水を張ったバスタブの中でポーズをとらせ、ハムレットの悲運な恋人が溺死する様子を写実的に描いた。

    ここでこの絵画の画材となった場面を説明しなければならない。それはシェイクスピアの四大悲劇の一つ《ハムレット》第四幕第五場で狂気を装う恋人ハムレットと父ポローニアスの死によって気がふれたオフィーリアが当時の古い謡曲を歌いながら父の葬儀の花々だとしてそれらを配りながら歩きまわった。そして小川にたどり着き傾いた一本の柳の枝に花輪をかけようとしてよじ登ったところ枝が折れてこの姫も花輪もまっさかさまに水の中に落ちてしまった。しばらくは着物のおかげで浮いていたがやがて着物は水に濡れて重くなり例の意味不明の歌を歌いながら水底に引き込まれてしまい死に至るというものである。

          いづれを君が恋人と
          わきて知るべきすべやある
          貝の冠とつく杖と
          はける靴とぞしるしなる

          かれは死にけり我がひめよ
          かれはよみじへ立ちにけり
          かしらの方の苔を見よ
          あしの方には石たてり

          柩をおほうきぬの色は
          高ねの雪と見まがいぬ
          涙やどせる花の環は
          ぬれたるまゝに葬りぬ

    これがオフィーリアが狂気して口ずさむときの当時の俗曲の
    森鴎外の訳である。訳としてあまりにも正確で荘重であるがこれも鴎外の古典趣味であろうか。わたしは高校生のころから愛唱している。

    https://www.youtube.com/watch?v=L2ShL9-R6pU

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