「エミール・クラウスとベルギーの印象派」展 印象派が好きな方は絶対オススメ!!

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黄昏のエミール・クラウス

 

Emile Claus, Rising Moon, 1912, RES Collection, courtesy Galerie St-John, Ghent

Emile Claus, Rising Moon, 1912, RES Collection, courtesy Galerie St-John, Ghent

《月昇る》はこれまでのまぶしい光とはうってかわって、非常に落ち着いた作品です。背景に溶けまずにはっきりと浮かび上がる月の存在がどこか和風で、「もののあはれ」を感じてしまうような作品です。

 

Emile Claus, Sunset, Waterloo Bridge, 1918, Courtesy Galerie Oscar De Vos, Sint-martens-Latem

Emile Claus, Sunset, Waterloo Bridge, 1918, Courtesy Galerie Oscar De Vos, Sint-martens-Latem

《ウォータールー橋、黄昏》は1918年にロンドンのウォータールー橋を描いたものです。エミール・クラウスは第一次世界大戦の影響を受け、1914年から1919年までイギリスへ逃れていました。

ロンドンでは、眼下にウォータールー橋を望む部屋を借ります。ウォータールー橋といえば、モネの連作が有名ですね。と思ったら、同時にモネの《霧の中の太陽(ウォータールー橋)》が展示されていました。その場でエミール・クラウスとモネの比較ができるとは。キュレーターの方、グッジョブですね。

 

Claude Monet,Waterloo Bridge, Effect of the Sun in the Fog, 1904, Private collection

Claude Monet,Waterloo Bridge, Effect of the Sun in the Fog, 1904, Private collection

これが同時展示されていたモネの《霧の中の太陽(ウォータールー橋)》です。エミール・クラウスと比較すると、遠方に見える建造物はぼやけて描かれている点は共通していますが、ウォータールー橋についてはモネの方が厚い大気の層が重なり、橋は背景に溶け込み、今にも消え入りそうな点で異なっています。このような消えそうなレベルのウォータールー橋を大エルミタージュ美術館展で見たことがあります。

Claude Monet,Waterloo Bridge, Fog, 1903, The State Hermitage Museum, St. Petersburg

Claude Monet,Waterloo Bridge, Fog, 1903, The State Hermitage Museum, St. Petersburg

参考までに、モネの連作《霧のウォータールー橋》です。こちらの作品も、モネ特有の空気感が画面を支配しており、「霧のロンドン」を見事に表現した作品といえるでしょう。ただ、エミール・クラウスはモネのように大気の層にモティーフとなる構造物を溶け込ませることなく、しっかりと描いている点で、自らの手法を確立しているといえます。本展未展示。

 

Emile Claus, Landscape of The River Leie, 1922, Private collection

Emile Claus, Landscape of The River Leie, 1922, Private collection

エミール・クラウスが亡くなる2年前に描いた《レイエ川風景》です。まるで宗教画のような神々しさを放っている青空と雲に誰もが釘付けになることでしょう。レイエ川はエミール・クラウスの生家からすぐ側にあり、生活の一部でした。レイエ川はエミール・クラウスにとっての原風景であり、心の拠り所であったことでしょう。

エミール・クラウスのアトリエ「陽光荘」には多くの友人・知人が訪れ、憩いの場所として賑わっていました。それを考えると、アルルに「黄色い家」を借り芸術家のユートピアを目指したが失敗に終わったゴッホとは対照的な制作環境であったことがうかがえます。

エミール・クラウスの最期の言葉は、 “Bloemen、bloemen、bloemen …” (花、花、花…)だったといわれています。それは、パステルで制作中だったベルギーの王妃エリザベートから贈られた花束のことを指しているのでしょうか。はたまた、これまでに描いた花々のことを指しているのでしょうか。

 

さて、エミール・クラウスづくしで解説して参りましたが、私にとってこの「エミール・クラウスとベルギーの印象派」展は私の狭い「印象派」の世界をさらに広げてくれた素晴らしい展示会だったと思います。本当は、エミール・クラウス周辺の画家の作品についても解説したいところですが、量が多すぎて準備に時間がかかりそうです。

 

 

東京ステーションギャラリー
会期:2013年6月8日(土)~2013年7月15日(月祝)
開館時間:午前10時00分 ~ 午後6時00分(金曜日は午後8時)
※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日 ※7月15日[月・祝]は開館

 

 

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