「エミール・クラウスとベルギーの印象派」展 印象派が好きな方は絶対オススメ!!

あの展覧会混んでる?

 

光の探求

 

Emile Claus, Drinking Place of the River Leie, 1897, Himeji City Museum of Art

Emile Claus, Drinking Place of the River Leie, 1897, Himeji City Museum of Art

《レイエ川の水飲み場》です。エミール・クラウスは、レイエ川と雄牛をモティーフとした作品をいくつか残しています。その中でも私が一番感動したものが、この作品です。恐らく夕方、日が落ちる前に、川岸で水を飲む牛を描いたものですが、どこか幻想的な感じを受けます。夕暮れの色の表現として、黄色やオレンジ色、赤ではなく、黄緑を用いているところがとても新しいですね。エミール・クラウスは水面に反射する光をとらえるため、舟の上で制作することもありました。

このような風景は、現代になってもほぼそのままの状態で残っており、Google ストリートビューで原風景を見ることができます。レイエ川河畔を探検していたところ、本当にそれらしい場所を発見しました。遠方に牛が放牧されているのが見えます。

 

Emile Claus, Sunlit Tree, 1900, Museum voor Schone Kunsten, Ghent.

Emile Claus, Sunlit Tree, 1900, Museum voor Schone Kunsten, Ghent.

《日の当たった木》は 92.7×73.5cm の大型の作品で、実際に目の前にしたときは、「おおっ」と声が出てしまいそうでした。そして、絵から少し離れて鑑賞すると、光が当たっているのが中心の円形部のみであることが分かります。この頃になると、光を自在に操ることができるようになり、まるで光との戯れを楽しんでいるかのようです。

《日の当たった木》は1900年頃にエミール・クラウスのアトリエ「陽光(ゾンヌスヘイン)荘」の庭園を描いた作品です。古樹に当たる光の赤から黄へのグラデーションがとても美しく、見ている自分までその熱でぽかぽかしてくるような気がしました。

 

Emile Claus, Hydrangeas around Villa Zonneschijn (Sunshine), 1898, Courtesy Galerie Oscar De Vos, Sint-martens-Latem

Emile Claus, Hydrangeas around Villa Zonneschijn (Sunshine), 1898, Courtesy Galerie Oscar De Vos, Sint-martens-Latem

《陽光(ゾンヌスヘイン)荘の紫陽花》においては背景の建物とそれ以外ではタッチが異なります。点描も点に近いものから、細長い線まで様々なタッチを使い分けています。紫陽花は点描のみで描かれており、写実性は失われています。この作品では、紫陽花の紫色がとても新鮮でした。印象派の風景画で紫色を扱ったものといえば、モネの睡蓮くらいしか思い浮かびません。睡蓮の場合はどちらかというと青に近い紫ですが、エミール・クラウスの紫は赤紫ですね。この水に映る濃い赤紫が印象に残りました。

Emile Claus, Althaeas, 1895, Musées Communaux, Verviers

Emile Claus, Althaeas, 1895, Musées Communaux, Verviers

《タチアオイ》は1895年8月に描かれました。この作品は陽光荘の庭園の一角で栽培されていたタチアオイを描いたものです。夏の強い逆光によって照らされたピンク色のタチアオイはとても明るく、瞳孔が急激に収縮しそうです。絵から発せられる光によって日焼けしてしまうかと思いました。注目すべきは花弁に逆光が当たり白色になっている部分ですね。透き通るような白色の美しさに、しばし魅了されました。

エミール・クラウスの光を操る手法と、点描とそうで無い部分を組み合わせて描く手法こそがエミール・クラウスが独自に確立した自然の表現方法なのではないでしょうか。

つづきは次のページ

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