「エミール・クラウスとベルギーの印象派」展 印象派が好きな方は絶対オススメ!!

あの展覧会混んでる?

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東京ステーションギャラリーで開催中の「エミール・クラウスとベルギーの印象派」展に行ってきました。会期は7/15(月祝)まで!

「エミール・クラウスとベルギーの印象派」展とは、ベルギーの印象派画家であるエミール・クラウスについての日本初の展覧会です。エミール・クラウスはフランス印象派の影響を受けながらも、独自のルミニスム(光輝主義)を確立し、19世紀末~20世紀初頭にかけて活躍しました。

正直なところ、ゴッホやモネ、スーラに比べるとマイナーで、あまり面白くはないのではないかと思っていました。しかし、これまで様々な印象派画家を見てきた中で、最も感動したと言ってもいいくらいの展示でした。これまでに見たことのない印象派。新しい色彩の組み合わせ、新しいモティーフ、展示作品数の多さ。どれを取っても自分の中では最高でした。短期間にこれだけ素晴らしい印象派に出会えてお腹いっぱいです。

 

フランス印象派との出会い

 

Emile Claus, Sunny Lane, 1889, Musée Camille Lemonnier, Brussels

Emile Claus, Sunny Lane, 1889, Musée Camille Lemonnier, Brussels

エミール・クラウスの《陽のあたる道》です。エミール・クラウス作品の素晴らしい点は、光をありのままにとらえて、キャンバスに表現しているところでしょうか。モネだと、光の層の上に空気の層が存在していて、全体的にやわらかい印象を受けますが、エミール・クラウスはそこまでぼやけません。そして、とにかく明るい。特に光がそのまま対象に当たる部分と、木や葉によって遮られる部分の描き方が天才的だと思います。実際に鑑賞していると、そのコントラストに圧倒されます。私は木の幹の部分の明るい黄緑色がとても気に入りました。

Emile Claus, The Midday Rest, 1887-1890, Courtesy Galerie Oscar De Vos, Sint-martens-Latem

Emile Claus, The Midday Rest, 1887-1890, Courtesy Galerie Oscar De Vos, Sint-martens-Latem

エミール・クラウスは1889年から数年間、冬期のみパリに滞在し、そこでフランス印象派からの影響、特にモネに大きな影響を受けました。彼の色彩は、モネと出会ってから急激に明るさを増し、まるで絵自身から光を発しているかのようなまばゆい作品へと変わっていきます。このストーリー良いですね。ゴッホがヌエネンの農村からパリに出てきて色彩に開花したのと重なりますね。

こちらは《昼休み》です。ベルギーのゲント近郊レイエ河畔のアステヌで描かれた作品です。制作が1887-1890年頃とのことですので、《陽のあたる道》が描かれた頃とも重なるのですが、タッチが全然違うことが分かります。《昼休み》はモティーフの細部まで詳細に描写されており、写実的です。この頃、様々な画家に影響を受け、タッチに関する実験を重ねていたことが想像できます。この作品で最も注目すべきは、手前の女性に当たる光です。髪の毛や、服の輪郭部分のみ光に照らされて輝いています。逆光の表現が素晴らしいですね。

Emile Claus, The Raising of the Fishtraps, 1893, Musée d'Ixelles, Brussels

Emile Claus, The Raising of the Fishtraps, 1893, Musée d’Ixelles, Brussels

《魚獲り》はゲントからベルギーと国境を接するフランス最北部のパ=ド=カレーまでを流れるレイエ川での魚獲りの様子を描いた作品です。非常に細かい点描によって描かれており、エミール・クラウスが新印象主義のスタイルも取り入れていることが分かります。ただ、すべてが点描で構成されているわけでなく、舟の表面は緻密に描かれています。自分の画風を確立していく上での、実験的作品なのではないでしょうか。

 

とにかく太陽光に照らし出された柳が明るかったです。冬の風景を描いているのにかかわらず全くそれを感じさせません。見ている自分まで、絵から照射された光に照らされているような感覚に陥ります。まるで自分が光によって支配された空間にいるかのようです。

 

Emile Claus, Sunny Day, 1899, Collection Flemish Community Long Term Loan, Museum voor Schone Kunsten, Ghent

Emile Claus, Sunny Day, 1899, Collection Flemish Community Long Term Loan, Museum voor Schone Kunsten, Ghent

《晴れた日》は木漏れ日の下、洗濯物を籠から取り出そうとしている瞬間を切り出したものです。エミール・クラウスがとらえた光を存分に楽しむことができる作品です。

手前の女性の頬に当たる光がとても柔らかく、肌の美しさを一層強調しています。また、後方の壁に当たる木漏れ日が非常に美しい。私は思うのですが、女性の白い服と木漏れ日は印象派の光を最も効果的に表現する最高の組み合わせだと思います。

 

参考までに、他の画家の光のとらえ方を見てみましょう。

 

《ぶらんこ》本展未展示
ルノワール
Pierre-Augustê Renoir, La balançoire, 1876, Musée d'Orsay

Pierre-Augustê Renoir, La balançoire, 1876, Musée d’Orsay

《縫い物をする女》本展未展示
アンリ=ジャン=ギヨーム・マルタン
Henri-Jean-Guillaume Martin, Woman Sewing, 1860, National Museum of Western Art

Henri-Jean-Guillaume Martin, Woman Sewing, 1860, National Museum of Western Art

 

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