ラファエロ展行ってきた 今見ておくべきラファエロの名画3選

あの展覧会混んでる?

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国立西洋美術館で開催中のラファエロ展へ行ってきました。今年は本当にルネサンス・バロックの当たり年ですね。

 

Self Portrait, Raffaello Santi, 1504-06, Oil on panel

Self Portrait, Raffaello Santi, 1504-06, Oil on panel

ラファエロ・サンツィオは盛期ルネサンスを代表するイタリアの画家です。ヴァチカン宮殿などの壁画を手がけるなど、多くの宗教画や肖像画を残しました。レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロとともに、盛期ルネサンスの三大巨匠と言われています。

 

世界的に有名な画家でありながら、日本国内でのまとまった形でのラファエロ展は今まで開催されたことがありませんでした。しかしなんと今回はその貴重な作品23点を含むラファエロ周辺の画家の珠玉の作品たちが東京に来ています。公式情報によると、ウフィツィ美術館、パラティーナ美術館などイタリア国内20ヶ所以上に加え、ルーヴル美術館やプラド美術館など、各地の美術館から作品が集結しているそうです。

 

こんなにラファエロの作品が集結している状態は奇跡といえます。

 

Madonna del granduca, Raffaello Santi, 1504, Oil on panel

Madonna del granduca, Raffaello Santi, 1504, Oil on panel

この《大公の聖母》は幾多のラファエロの作品である《聖母子》の原型ともいえる作品です。聖母マリアがやさしくイエス・キリストを抱きかかえています。背景が黒く塗りつぶされていますが、これは近年のX線による調査で制作時には建物の背景が絵が描かれていたことが分かっていて、なぜ塗りつぶされたのかが気になります。

 

この絵を見て一番気になったのが、イエス・キリストの頭上に描かれた光輪です。マリアのそれとは形が異なっています。調べてみると、イエス・キリストの光輪には十字が描かれるそうです。本物の作品では、この光輪が金色に輝いていてとても綺麗でした。ラファエロの他の作品でもこの十字の光輪が見れるので探してみるといいかもしれません。

 

また、聖母マリアが着ている衣装にも注目です。赤い衣と青いマントは伝統的なマリアの衣服です。赤は高貴さ、青は誠実さ、悲しみを表しています。着ている服から誰か分かるというのは面白いですね。

 

Trasfigurazione di Cristo, Fra Angelico, 1440-1442, fresco

Trasfigurazione di Cristo, Fra Angelico, 1440-1442, fresco

 

参考までに、こちらはベアト・アンジェリコの《キリストの変容》です。彼の作品では、イエス・キリストの光輪の十字が強調されているのが分かります。他の聖人との光輪の違いに注目です。

 

Sebastianus, Raffaello Santi, 1502-03, Oil on panel

Sebastianus, Raffaello Santi, 1502-03, Oil on panel

こちらの矢を手にしているのは《聖セバスティアヌス》です。聖セバスティアヌスは古代ローマの伝説上の聖人で元は兵士でした。彼は牢獄に捕らえられていたキリスト教徒の脱走に手を貸しました。これが公となりディオクレティアヌス帝に矢で射られる形で処刑されることになったのですが、絶命しませんでした。幸いかと思いきや、傷の快復後に、棍棒で撲殺されてしまいました。

 

その後、射手の守護聖人となりました。ちなみに、聖セバスティアヌスは矢で射られる処刑のシーンが数多く絵が描かれていることで有名です。

 

 

Heiliger Sebastian, Antonello da Messina, 1476

Heiliger Sebastian, Antonello da Messina, 1476

 

参考までに、こちらがその処刑のシーンです。アントネッロ・ダ・メッシーナの《聖セバスティアヌス》です。矢が5本刺さっているのはイエス・キリストに打ち込まれた釘の数を想起させますが、他の画家は2本刺さってたりもあるので作者によって意味が違うのでしょう。

 

George Fighting the Dragon, Raffaello Santi, 1504-05, Oil on panel

George Fighting the Dragon, Raffaello Santi, 1504-05, Oil on panel

あと印象に残った作品が、《聖ゲオルギウスと竜》です。竜(ドラゴン)は異教徒の象徴です。キリスト教美術においてドラゴンに対する勝利は特に好まれた主題だったそうです。ドラゴンは異教徒のほかに、悪魔、異端者、疫病さえも象徴します。

 

この作品では、伝説上の聖人ゲオルギウスが、小アジアのカッパドキアで悪事を働くドラゴンを退治している場面を描いています。画面右奥で逃げる女性はカッパドキアという土地そのものを表しているそうです。ラファエロは、この有名な主題のほかにも、《大天使ミカエルとドラゴン》という有名な主題も描いています。

 

Saint Michael Vanquishing Satan, Raffaello Santi, 1518, Oil on panel

Saint Michael Vanquishing Satan, Raffaello Santi, 1518, Oil on panel

参考までに、こちらがラファエロの《大天使ミカエルとドラゴン》です。今回の「ラファエロ展」では展示されてはいません。こちらは「ヨハネの黙示録」の十二章の記述に基づいて描かれたものです。

 

”さて天に戦いが起こって、ミカエルと彼の使いたちは竜と戦った。それで竜とその使いたちは応戦したが勝つことが出来ず天にはもはや彼らの居る場所がなくなった。こうしてこの巨大な竜、すなわち悪魔やサタンなどと呼ばれて、全世界を惑わす、あの古い蛇は投げ落とされた。”

 

 

聖書、神話を理解すること、それは画家のメッセージを解読するための鍵となります。全文読むには到底時間がなさそうなので、こうして美術展に出てくる主題を少しずつ読み解くことで勉強していこうと思います。

 

ルネサンス期のラファエロ、バロック期のルーベンス、そしてマニエリスムのエル・グレコとまるで宗教画・神話画のツアーに出かけたみたいです。同じ主題を別々の画家が描くので、それを比較できるという幸せな試みをすることができて最高でした。ですがこの試みはまだ終わりません。この後「レオナルド・ダ・ヴィンチ展 ―天才の肖像」や、「ミケランジェロ展 ―天才の軌跡」が控えているからです。

 

ルネサンス万歳。

 

 

国立西洋美術館
会期:2013年3月2日(土)~6月2日(日)
開館時間:午前9時30分~午後5時30分。
金曜日は午後8時。入館は閉館の30分前まで。
休館日:月曜日 ※ただし、4月29日、5月6日は開館。5月7日は休館。
お問い合わせ :03-5777-8600(ハローダイヤル)

 

 

 

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