バロックの巨匠、ルーベンスが日本に来た!ルーベンス展を味わうための絵画4選

あの展覧会混んでる?

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ルーベンス 栄光のアントワープ工房と原点のイタリア」展へ行ってきました。

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ピーテル・パウル・ルーベンス(1577-1640)は、バロック期のフランドルの画家です。祭壇画、肖像画、風景画、神話画や寓意画も含む歴史画など、様々なジャンルの絵画作品を残したことで有名です。画家の王とも呼ばれています。また、語学にも堪能でネーデルラント語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、ラテン語など七カ国語を話したという逸話が残っています。

今回、Bunkamura ザ・ミュージアムにルーベンスのイタリア時代の作品が集結しているということで足を運んでみました。

 

ロムルスとレムスの発見

The Finding of Romulus and Remus, Peter Paul Rubens, 1612-13, Oil on canvas

まずは《ロムルスとレムスの発見》です。この作品は、「世界最古の博物館」として知られるローマのカピトリーナ絵画館での修復作業が完了し日本初公開となった作品です。この絵に描かれているのは、ローマの建国伝説にまつわる有名な出来事です。

 

ロムルスとレムスは双子の兄弟で、軍神マルスとレア・シルウィア(アルバ・ロンガ=ラティウム王ヌミトルの娘)の間に生まれたとされています。レア・シルウィアはウェスタの巫女であったため、処女でなくてはなりませんでした。そのため兄弟はテヴェレ川に捨てられてしまいます。それを命からがら生き延び、雌狼とキツツキに育てられるという物語を題材としており、今まさに羊飼いのファウストゥルスが川辺のイチジクの木の下にいる双子の兄弟を発見した場面を描いています。

画面左の水が流れ出す甕にもたれ掛かっているのは、テヴェレ川の擬人像です。これは古代ローマの彫刻「テヴェレ川」をモティーフにしたものです。画面中央のキツツキが3粒のサクランボを運んでいるのが印象的です。サクランボは宗教画においては「イエスの受難」や「聖餐」を象徴する果物です。よく聖家族を描いた図像の中に登場しますが、この絵は古代神話を題材としており、その意味が非常に気になりました。

 

アポロとダフネ

Apollo and Daphne, Peter Paul Rubens, 1636, Oil on panel

ルーベンスの作品で、神話を題材にしたシリーズも面白いです。この絵は《アポロとダフネ》で、古代ローマの詩人オウィディウスが記した「転身物語」に登場する場面を描いたものです。この絵には、月桂樹に変身するニンフ(ダフネ)とそれを追いかけるアポロが描かれています。

あるとき弓を得意とするアポロが、恋を芽生えさせるというクピドの弓矢を「おまえには似つかわしくない」と嘲笑しました。それがクピドの怒りを買い、恋する矢をアポロに、恋を追い払う矢を川の神ペネイオスの娘ダフネに射たのです。当然、アポロは恋したダフネを追いかけるわけですが、ダフネには恐怖でしかありません。

 

アポロがあと少しでダフネに触れようとした瞬間、彼女は父であるペネイオスに「自らの姿を変えて、滅ぼしてほしい」と懇願しました。こうして、ダフネは月桂樹に変身したのです。この絵はまさに振り返るダフネが月桂樹に変身する瞬間をとらえた作品です。両手の先が月桂樹の枝に変わろうとしているのが見て取れます。

 

ダフネが月桂樹に変わっても、相変わらずダフネに恋するアポロは、月桂樹を自らの持ち物にあしらうようになりました。アポロの冠や竪琴、矢筒は月桂樹で飾られています。アポロは詩と音楽に秀でていたことから、以後月桂樹は「優れた芸術」を象徴するようになりました。

 

アポロとダフネ

Apollo and Daphne, Gian Lorenzo Bernini, 1624-25, Marble

 

参考ですが、バロックを代表する彫刻家であるベルニーニもこの主題を彫刻で表現しています。物語を知っていると、そこに存在する物の意味が分かりますし、芸術家のメッセージを解読することができた時、とても幸せな気分になれますね。

 

ヤン・ファン・ムルスの出版商標

Printer’s Device for Jan Van Meurs, Peter Paul Rubens, 1630-31, Oil on panel

これは《ヤン・ファン・ムルスの出版商標》です。19.0×20.5cmの非常に小さな作品で、神話の登場人物が描かれています。白のハイライトがとても美しかったのが印象的です。白のハイライトは、「ミュシャ展」で見た《装飾資料集》にも多用されていて、とても綺麗なので是非見てみてほしいです。

 

ガラス製の花瓶の花

Flowrts in a Glass Vase, Workshop of Jan Brueghell, Oil on copper

最後に、《ガラス製の花瓶の花》を紹介します。作者がヤン・ブリューゲル(父)の工房の画家となっており、ルーベンス作ではないですが、ルーベンスと共同制作を頻繁に行っていたらしいです。とても精緻な花に関心が行きそうですが、実はこの静物画、よく絵に目を近づけてみると、花にたくさんの昆虫が描き込まれているのがわかります。5~6種類は見つけたでしょうか。最初にピンクのバラに止まるハエを見つけてからは、昆虫を探すのに夢中でずっと絵の前から離れられませんでした。テントウムシ、蝶、カタツムリ、トンボ、謎の金色の虫などなど、他にも見つけた方がいたら教えてほしいです。

 

 

神話画や歴史画だけでなく、面白い静物画まで楽しめてルーベンス展を堪能できました。今年はルネッサンス・バロックの当たり年ですね。次はどこに行きましょうか…

 

 

Bunkamura ザ・ミュージアム
会期:2013年3月9日(土)-4月21日(日)
開館時間:10:00~19:00[入館は18:30まで]
毎週金・土曜日は21:00まで[入館は20:30まで]
休館日:開催期間中無休
お問い合わせ :03-5777-8600(ハローダイヤル)
巡回予定:
2013/4/28-6/16 北九州市立美術館
2013/6/29-8/11 新潟県立近代美術館(予定)

 

 

 

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