メトロポリタン美術館展 初美術館詣2013

あの展覧会混んでる?

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あけましておめでとうございます。
今年も趣味に生きていきたいと考えておりますので、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。

 

初美術館詣として、まずは東京都美術館へ足を運ぶ。今ここではメトロポリタン美術館展が開催されている。会期が1月4日までなので何としてでもこのタイミングで行かねばならぬ。
この展示の目玉は、もちろんゴッホの「糸杉」だ。この作品のために、入館するやいなや他の作品には目も触れず、真っ先に見に行った。

 

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「糸杉」

この作品が描かれた1889年は、ゴッホがサン=レミ(Saint-Rémy)のサン・ポール・ド・モゾール修道院で精神疾患の療養をしていた時代である。ここに移る前のアルルでの作品と比べ、いくつかの点に異変が見られるのが分かる。まず画面全体が蠢いているかのように描かれている。空はうねり、背景のアルピーユ山脈は揺動している。ゴッホの精神的不安定がカンバス上に投影されたように思える。

時間の許す限りあらゆる距離から鑑賞したが、画面右側が最高に美しい。右上の非現実的な三日月を取り囲むのはターコイズブルーかコバルトグリーンだろうか。印刷物ではなく、実際の絵は目を見張る美しさだ。まるで古代エジプトのファイアンスに用いられるエジプシャンブルーを髣髴とさせるグラデーションだ。ブルーに関していえば、この時代の大作、「星月夜」の濃いブルーとは対照的だ。

そのまま下へ目線を移すと、菫色とおぼしきアルピーユ山脈が見える。この時代のゴッホは中間色を用い、カンバスに淡くやわらかいイメージを与えている。このブルー、一番好きだ。中間の雲の内部に混ざるピンク~紫も美しかった。

ちなみに、クレラー・ミュラー美術館のコレクションで「糸杉と星の道」があるが、こちらも似た構図の絵で、夜を描いている。

 

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「糸杉と星の道」

メトロポリタンの「糸杉」と比べ、空の線が均一に描かれている。空や山の揺動するレベルは明らかに「糸杉」のほうが強い。これは描かれたのが同時期であっても、頻繁にゴッホを襲う躁と鬱が絵に変化を与えているのではないだろうか。

 

アルルの事件以降、ゴッホの複雑な内面がカンバスに顕在化するようになる。ゴッホがあの時、何を叫んだのか、何を伝えようとしたのか。今では到底知ることができないが、残された絵や手紙から少しずつ紐解くことはできる。それが面白くてしかたがない。

 

ふと、思う。ゴッホは美術と文学と心理学が複雑に絡み合うひとつの学問であると。

 

私はゴッホが好きなので、ゴッホばかり取り上げてしまったが、この展示ではルノワールやモネ、セザンヌなどの印象派の作品も見ることができる。さらに、古代ローマ、ギリシャ、エジプト等々の彫刻まで幅広く鑑賞できるのでぜひ足を運んでいただきたい。

会期は1月4日までである。
また、帰りに三菱一号館美術館にて、シャルダン展も楽しんできた。こちらは、また次の機会に取り上げるとしよう。

 

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